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1_12 関係:連続と不連続(その2)


▼3 連続と不連続の組み合わせ
 地質における堆積作用、つまり地層で、連続と不連続をみてきましょう。
 物質、時間、空間とう視点で、地層中に、連続と不連続で、対応するものがあるかどうかを、考えてみましょう。
 ここでは、もともと物質的、時間的、空間的に連続にたまったものが、その後、なんらなかの変化によって、どれかに不連続が生じた場合のものを考えます。
 時間的、空間的には連続なのですが、自然現象として、物質的不連続ができることがありますが、これはごくふつうの不連続です。ここでは、ややこしくなるので、そのようなものは含めないことにします。
 表にまとめると、以下のようになります。

  表 連続・不連続の物質、時間、空間における組み合わせ 1
―――――――――――――――――――――――――――――――――
物質     時間的連続          時間的不連続
    ―――――――――――――  ――――――――――――――
    空間的連続  空間的不連続  空間的連続  空間的不連続
―――――――――――――――――――――――――――――――――
連続   ある(1)    ある(2)     ある(3)    なし(4)
不連続  ある(5)    ある(6)     ある(7)    ある(8)
―――――――――――――――――――――――――――――――――

 この表が、わかりにくいのは、じつは、2次元では、あらわしにくくなってしまいます。3次元の状態をあらわすことになります。
 組み合わせとしては、物質、時間、空間に、それぞれ連続と不連続の組み合わせとなります。もう少し別の表現をしてみましょう。連続を○、不連続を×で表すと、以下のような、2の3乗で、8通りの組み合わせがあります。

表 連続・不連続の物質、時間、空間における組み合わせ 2
   1  2  3  4  5  6  7  8
物質 ○ ○ ○ ○ × × × ×
時間 ○ ○ × × ○ ○ × ×
空間 ○ × ○ × ○ × ○ ×

 表1の()内の番号と、表2の1行目の番号が対応しています。それぞれの場合の例を、あげていきましょう。
 例として考えられるのは以下のようになります。

1 均質な単層の内部
2 堆積岩の圧密作用
3 ハイエイタス(無堆積)
4 なし
5 変質や変成作用による再結晶作用や元素移動
6 層内褶曲
7 整合
8 不整合、断層

 以上、みていくと、堆積現象の多くは、いくつかの不連続によって、なりたっていることがわかります。特に、地質現象として重要となっている、不整合(ふせいごう)や断層(だんそう)は、すべてが不連続な場合であります。
 つまり、研究対象としては、極端な変動や変化による不連続が、地質学の上では、重要な事件を示していることになります。

▼4 それぞれの関係
 上で示した各関係の例を、少しくわしくみていきましょう。ここであげた例よりもっといいものや、重要なものがあるかもしれませんが、いまのところこれらが、いちばん重要そうにみえました。

1 均質な単層の内部:物質○、時間○、空間○
 いちばん、はじめの地層の状態です。これが、地層が最初にできたときの状態です。ここからの変化を考えていきます。

2 堆積岩の圧密作用:物質○、時間○、空間×
 地層は、もともと、水をたくさん含んだ土砂がたまったものです。同じようにして、さらに土砂がたまっていくと、下の地層は、その重さのために、水がしぼり出されていきます。このような作用を圧密(あつみつ)といます。
 ここでは、水は、地層の素材でないと考え、空間だけが縮んだと考えました。水も物質として考える場合は、圧密作用は、6番になります。

3 ハイエイタス:物質○、時間×、空間○
 ハイエイタス(hiatus)は、無堆積(むたいせき)とよばれるものです。ヒアタスと、発音されることもあります。
 堆積が、おこなわれなかった期間、あるいはその不連続面のことをさします。あるいは、そのようは現象をさすこともあります。時間が過ぎていくのに、物質としては、なにも残されなかった場合です。もともと物質がたまらなかったので、空間は、なくなることはありません。

4 なし:物質○、時間×、空間×
 4番は、もしかすると、例があるかもしれません。でも、いまのところ思い当たりません。

5 変質や変成作用による再結晶作用や元素移動:物質×、時間○、空間○
 大きく見ると、ほとんど変化はないのですが、原子レベルで、物質の移動がおこっている場合です。
 変成作用や変質作用には、全体としては化学成分や物質の出入りはないのですが、元素の移動がおこり、再配置がされることがあります。もともとあった結晶が、別の条件で安定な結晶の組み合わせにかわることです。このような作用を再結晶作用といいます。

6 層内褶曲:物質×、時間○、空間×
 層内褶曲(そうないしゅうきょく)は、層間褶曲、スランプともよばれます。単層としてはまったく褶曲していないのですが、単層内で堆積した後に褶曲ができることです。堆積物がまだ固まっていない時に、地層内で、堆積物が動くことです。
 褶曲だけでなく、団子のようになった礫岩のような堆積物(偽礫(ぎれき)、スランプボールとよばれます)が形成されることや、もともとは地層の一部であったのが、まるでソーセージをつなげたような円柱状にちぎれて丸くなったもの(ブーディンといいます)なることもあります。

7 整合:物質×、時間×、空間○
 整合とは、地層が、順序正しく時間のきれめなく並んでいるものをいいます。でも、整合とは、よくみると、単層と単層の間に、物質がほとんどたまらない、かなりの時間のすきまがあるのです。でも、地質学的には、この間の時間的間隙は無視できるほどのものと考えています。
 しかし、ハイエイタス、整合、小さな不整合の境界は、あいまいです。

8 不整合、断層:物質×、時間×、空間×
・不整合
 不整合とは、時間不連続(欠如)、空間的不連続(欠如)、物質的不連続があるものをいいます。
 不整合とは、ある時、ある場所でおこった、ある堆積作用に対して、使われる言葉ですが、不整合の相手は、堆積岩だけでなく、火成岩や変成岩に対しても、つかわれます。
 以下で、不整合のいくつかの代表的なものを紹介しましょう。

傾斜不整合:angular unconformity、clino-unconformity
 傾斜不整合(けいしゃふせいごう)は、斜交(しょこう)不整合ともよばれます。不整合の面で、地層の傾きが違っているものをいいます。
 このような不整合では、大きな時間間隙、空間間隙があったことを意味します。

平行不整合:parallel unconformity、disconformity
 平行不整合(へいうこうふせいごう)は、不整合の両側の、地層面が平行なものをいう。地層は平行なのですが、不整合の面は、地層と平行でなくても、でもぼこでも平行不整合といいます。
 これは、その間に大きな時間間隙、空間間隙があったのですが、偶然、下の地層に平行にたまった場合と、大地は上下運動だけをして、けずられる(侵食(しんしょく)や削剥(さくはく)といます)を受けただけで、おおきな変動はあまりなかった場合の2つがあります。

非整合:disconformity
 非整合(ひせいごう)は、小さい規模の不整合に使います。ダイアステム(diastem)ともいうこともあります。
 非整合の面を堺に、物質、空間、時間の欠損があるのですが、陸上に出て、たまった地層が、けずられるほどのことはなかったものをいいます。わずかな堆積の休止のことをいいます。

ノンコンフォーミティ:nonconformity
 傾斜不整合の一種で、下の岩石が、地層ではなく、火成岩や変成岩の場合のことをいいます。

・断層
 断層(だんそう)とは、時間不連続(欠如)、空間的不連続(欠如)、物質的不連続(欠如)があるものをいいます。
 断層関係は、堆積岩だけでなく、すべての岩石にたいして使われる言葉です。
 断層の運動には、水平に動く成分と、垂直に動く成分があります。

 水平成分は、断層面を上から見たとき、
左にずれている場合:左横ずれ断層
右にずれている場合:右横ずれ断層
とよんで、区別しています。
 垂直成分は、断層面を断面でみたとき、
落ちている場合:正断層(せいだんそう)
盛り上がっている場合:逆断層(ぎゃくだんそう)
とよんで、区別しています。
 もちろん垂直の場合は、この区分は適用できず、垂直断層ということなります。
 正断層は、横に引っ張られるような場所(伸張場(ちんしょうば)といいます)にできます。一方、逆断層は、横から押し縮められるような場所(圧縮場(あっしゅくば)といいます)にできます。
 垂直な断層は、水平運動の力ではなく、上下運動の力がかかったことになります。
 このような断層の動きを細かく調査していきますと、大地ちにどのような力が加わり、どのような変化が起こったかが読み取れるのです。

 以上、「この世」の連続と不連続を、地質学の地層を素材としてみてきました。このような視点で、さまざまなものをみていきますと、どこかで、おおざっぱな見方をしたり、どの連続や不連続を重要だとしているかなどが、けっこうはっきりとわかってくることがあります。


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