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講義: 3_02 環境と変遷
掲示板: 一生「いち書生」


■講義 3_02 環境と変遷

▼1 要素という考えかた(定義)
 前回、この2年目の後期の授業では、地球の環境の歴史について考えていくとのべました。そして、講義タイトルとしては、「地球環境変遷史(ちきゅうかんきょうへんせんし)」となりますよ、といいました。でも、「地球環境変遷史」というのは、非常に複雑ななかみを、かんたんにいいすぎたような気がします。
 この講義のなかみについて、くわしく考えてみましょう。くわしく考える方法として、この講義の方法は、要素(ようそ)という考えかたを使います。
 では、この講義でつかう要素とは、どのようなものでしょうか。要素を定義しておきましょう。
 要素とは、一般的な、あるいは常識的な定義として、「ものごとの成立・効力などに必要不可欠な根本的条件」「それ以上簡単なものに分析のできないもの」(広辞苑)とあります。前のほうの説明はむつかしいですが、後のほうの説明ならよくわかります。いちばん基本、あるい単位となるようなもののことです。
 この授業であつかいたいのは、「地球環境」という自然のものです。そこにあるのは、「条件」ではなくて、「もの」です。ですから、ここでは、内容からも、後のほうに近くなっています。
 しかし、後の定義は、そのまま、自然のものには使うことができません。なぜなら、自然のものは、1年目後期の講義でみてきたように、つぎつぎと「より簡単なもの」、「より基本的なもの」、「より小さなもの」に分けることができるからです。
 自然における要素を、この講義では、次のように定義しましょう。
「ものごとが成り立つために、なくてはならないもの」
 そのような考えでみると、「地球環境変遷史」とは、どういう要素から構成されているのでしょうか。
 言葉としてみると、「地球環境」と「変遷史」の2つの単語からなっています。ですから、この「地球環境」と「変遷史」の2つ要素について、それぞれみていくべきでしょう。

..▼2 地球環境とは(定義)
 地球環境について、くわしいことは、まだ、わかっていません。それは、地球環境のしくみが、たいへん複雑だからです。でも、わからないかと、やめてしまうわけにはいきませんから、強引(ごういんに)にでも、すすんでいきましょう。
 地球環境は、「地球」と「環境」という要素に分けられます。ここで、「地球」と「環境」とに分けてしまう前に、2つの関係を考えておきましょう。地球についての環境という意味です。つまり、あたりまえのことになりますが、「地球の環境」ということです。
 では、「地球」と「環境」をくわしくみていきましょう。

1 地球の要素
 「地球」の定義については、次回の講義でくわしく考えますので、ここでは地球の要素についてみていきましょう。
 地球は、いくつかの階層を持っています。階層とは、つまり内部に別の要素を持っていることです。この階層は、原子や素粒子という「この世」で最小のの階層までつづきます。そこまで小さなものの階層にいってしまうと、地球の特徴がみえてきませんので、地球にいちばん近い階層を要素と考えます。
 この講義では、地球を、まず、いくつかのものが集まっていると考えます。そのものを次の3つの状態に区分します。
・気体
・液体
・固体
の3つです。
 気体は、地球では、
・大気
のことです。液体は、
・海洋
のことです。また、量は少ないですが、液体には、湖、池、川などもふくまれます。
 固体は、地球の大部分をしめ、大地ともいえます。でも、固体では、あまりにもわけかたが、大きすぎますので、ここでは、さらに階層を下げ、
・地殻
・マントル
・核
という要素にわけることにします。
 また、固体の地球、大地の運動の特徴を考えるために、
・プレート
・プルーム
という要素をくわえることにします。
 さらに、地球を特徴づける要素として、
・生命
をくわえます。
 これら、大気、海洋、生命、地殻、マントル、核、プレート、プルームを、この講義では、要素と考えて、調べていくことにします。

2 「環境」の定義
 「環境」とは、辞書(広辞苑)によりますと「めぐり囲む区域」あるいは「四囲の外界。周囲の事物。人間または生物をとりまき、それと相互作用を及ぼし合うものとして見た外界。」とあります。
 平たくいえば、身の回りのものごとのことです。
 「自分」を中心に考えると、広い意味(広義(こうぎ)といいます)で考えると、自分をとりまくすべてのものを意味します。そしてその最大のものは、いままぜ、やってきたように宇宙全体となります。
 狭い意味(狭義(きょうぎ)といいます)で考えると、自分と関係のある、つまりは辞書でいう「相互作用を及ぼし合うもの」、まわりのものとなります。
 ここでは、広義での環境が大切です。環境とは、宇宙から、自分をのぞいたすべてのものをさします。
 未来学者フラーがある宇宙飛行士に、次のような言葉をおくったそうです。

Environment to each must be "All that is excepting me."
Universe in turn must by "All that is including me."

訳しますと、

「それぞれの人にとって環境とは、自分以外のすべて。
一方、宇宙とは自分をふくむすべて。」

となります。なかなか味わい深い言葉ですが、考えてみると、ごく当たりまえのことをいっている言葉でもあります。
 環境とは、宇宙と自分とのかかわりを表す言葉であるといえます。環境とは、宇宙から自分をのぞいたもので、宇宙とは、自分をくわえたすべての環境のことです。なかなかいい言葉ではないですか。

..▼3 変遷史とは(定義)
 もうひとつの「変遷史(へんせんし)」についても、同じようにみていきましょう。
 変遷史は、「変遷」と「史」にわけられます。
 「変遷」とは、辞書で(広辞苑)調べてみると「移り変わること」という意味でだと書いてあります。
 また、「史」というと、歴史を思い浮かべますが、もともとは、「しるす、記録する」という意味がありました。また、歴史という史は、「時勢(じせい)の変遷、発達の過程の記録」(広辞苑)という意味とあります。「時勢」とは、「世のなりゆき」(広辞苑)のことです。
 ですから、まとめると、変遷史とは、「変化の記録」というような意味となります。
 では、「変化の記録」とはどのようなものでしょうか。よく考えてみると、いくつかの重要なできごとが、あらゆるもの、ものごと、できごと、などにはふくまれています。この世にあるすべてのものが、共通してもつものがあります。それは、
・誕生
・現在
・死
という区切りです。別のいいかたをすると、
・はじまり
・いま
・おわり
ともいえます。これらも、別の視点でみたときに、要素となるべきものです。
 そのおのおのの区切りの間をうめる、あるいは結びつけるものがあります。
 誕生と現在(はじまりといま)を結びつけるものは、「過去」です。現在と死(いまとおわり)を結びつけるものは、「未来」です。これらも重要な要素といえます。

図 変遷史の要素の関係図
誕生
↓   過去
現在
↓   未来

 これらすべてが、変遷史の要素となります。誕生、過去、現在、未来、死という要素は、いいかたを変えると、以下のような内容がでてきそうです。

表 変遷史の要素
誕生:起源、生成、成因、原因
過去:変遷、進化、変化、歴史、経歴
現在:定義、成分、構成、特徴、運動、仕組み
未来:過去と現在からの推定
死:推定するしかないものが多い

呼びかたは、もっと、他にもいろいろあるはずです。

..▼4 講義ですべきこと
 以上のことから、「地球環境変遷史」でおこなうべきこととは、つぎのようなものだと結論できます。
 地球で定義した「要素」、大気、海洋、生命、地殻、マントル、核、プレート、プルームについて、それぞれの誕生、過去、現在、未来、死というみかたで、それぞれの要素ごとのかかわりをについて考えることが、「地球環境変遷史」という講義ですべき内容となります。
 つまり、この講義の目標は、下の表を埋めて、相互関係を理解していくことなのです。

表 この講義ですべきこと
要素 大気 海洋 生命 地殻 マントル 核 プレート プルーム
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誕生 __ __ __ __ ____ _ ____ ____
過去 __ __ __ __ ____ _ ____ ____
現在 __ __ __ __ ____ _ ____ ____
未来 __ __ __ __ ____ _ ____ ____
死  __ __ __ __ ____ _ ____ ____
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■掲示板: 一生「いち書生」 

・一生「いち書生」・
 Nagさんから、1年目の終わりに当たり、励ましのメールをいただきました。そのメールに対して、私は、次のような返事を出しました。

「Nagさんが使われた「小生は齢68歳の老書生」という言葉、いいですね。
私は現在46歳です。20年後の私は、「いち書生」として、新しい学問を目指し続けているでしょうか。それとも、大家としてふんぞりかえっているでしょうか。それとも、老けて抜け殻になっているでしょうか。望むらくは、Nagさんのように、一生「いち書生」として送りたいものです。
 人類の築き上げたものは、一人の人間が知りつくすには膨大すぎます。でも、自分の興味の持てること、面白いと思えることだけですら汲み尽くせないほどあるはずです。でも、それの一端でも味わいって来たいと思っています。私も、それを、ずーっと味わっていくために一生「いち書生」として過ごしていきたいと思います。」

というものです。
 私も、一生「いち書生」でいたいものです。


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