はじめに  参考文献   謝辞

塩基性(えんきせい) (Basic)
 火成岩の全岩化学組成による分類に用いる。SiO2の含有量が45〜52重量%の範囲の岩石をいう。玄武岩や斑れい岩が塩基性の岩石に相当する。苦鉄質と似ているが、苦鉄質が鉱物のモード組成を基にしているのに対し、塩基性は岩石の化学組成を基にしている点が違う。
海山(かいざん)(Seamount)
 海底での火山活動でできた山で、海面上には出ていないもの。周囲の海底からは、1000m以上高くなっている。形は侵食を受けてない陸上火山に類似している。海山は主として玄武岩からできている。
海洋(かいよう)(Ocean)
 地球の表層で、海水がたまっているくぼんだ領域のこと。面積は約3.6億km2で地球の総面 積の約70%を占める。平均深度は3800mである。地球以外の惑星では、低地や平坦地、もと海洋があった場所などに使われる。地球では生命発生にとっては重要な領域である。
海洋底(かいようてい)(Ocean-floor, Sea-floor)
 海洋底は、海洋と固体地球、生命圏の接点となっている。海洋底には海洋に生息する生物の遺骸が常に降っている。そのため海洋底の表面 は、泥やチャートなどの遠洋性の堆積物がある。その下には枕状溶岩の玄武岩があり、岩脈の玄武岩〜ドレライト、斑れい岩、かんらん岩という順に岩石が重なっている。
海洋島(かいようとう)(Oceanic Island)
 海底での火山活動でできた山で、海面上に出ているもの。海底からの比高は3000mをこえる巨大な火山である。海洋島は玄武岩を主とするが、安山岩や流紋岩なども少量 ともなうこともある。
外輪山(がいりんざん) (Somma)
 カルデラを持つ火山体で、火口の縁の部分に残った山をいう。円形からそれに近い形に山が並んでいる。外輪山の外側はゆるやかな斜面 だが、内側は急な崖(がけ)になっている。箱根火山は二重の外輪山を持っている。
化学組成(かがくそせい)(Chemical Composition)
 岩石や鉱物は、Si、Ti、Al、Fe、Mn、Mg、Ca、Na、K、P、HそしてOを主要な成分としている。酸化物の形式で含有量 を示す場合が多い。酸化物の形式で表わされるのは、%オーダーの成分で、ppmオーダーやそれ以下の微量 成分は元素のままの含有量で示される。
火成作用(かせいさよう)(Magmatism)
 マグマの活動によって引き起こされるさまざまな作用の総称。地表での火山噴出や地下深部での貫入岩の形成などがある 。
活断層(かつだんそう) (Active Fault)
 ごく最近まで繰り返し活動した断層で、今後も活動をしそうな断層。ただし、今後の活動があるかどうかもまだ予知できない。活断層は地震をともなわないもの(クリープ型)もあるが、一般 には地震によって形成される。
ガラス質(Glassy, Hyaline, Vitric, Vitreous, Holohyaline)
 火成岩の結晶化している程度(結晶度)を表わす。岩石または石基部がガラスからできているものをいう。急冷した火山岩の石基部でみられる。
カルデラ (Caldera)
 火山の中央部が円形かそれに近い形で落ちくぼんだものをいう。カルデラは、爆発や侵食(しんしょく)によってできることもあるが、多くはマグマがぬ けた空間に、火山体が陥没(かんぼつ)してできたものである。箱根火山はカルデラをもっている。
完晶質(かんしょうしつ)(Hollocrystalline)
 火成岩の結晶化している程度(結晶度)を表わす。岩石がすべて結晶からできており、ガラスを含まないものをいう。深成岩はすべて完晶質であり、火山岩でも完晶質の岩石はある。
岩石(がんせき)(Rock)
 地球や天体の固体部を構成する物質である。地球では核より外側のマントルや地殻が岩石からできている。岩石は数種類の鉱物からできている。岩石は、火成岩、堆積岩そして変成岩に大別 される。
間氷期(かんぴょうき) (Interglacial Age)
 氷期と氷期の間の暖かい時期のこと。間氷期は、現在と同じか、それ以上に温暖であったと考えられている。そのため間氷期には海水面 が上がり、海が内陸まで進入していった(海進)。現在は最終氷期のあとの間氷期にあたる。
基質(きしつ)(Matrix)
 岩石の組織の名称。岩石中で大きい粒子を取り囲む細粒の粒子からできている部分のこと。堆積岩で使われる用語で、火成岩では石基という。
揮発性(きはつせい)(volatile)
 成分の中で気体状態になりやすい性質のことで、相対的な性質として用いる。常温で気体として存在すものだけでなく、火山ガスやマグマの中での成分の性質や、元素の性質としても用いる。
急冷縁(きゅうれいえん)(Chilled Margin)
 マグマが水中や冷たい岩石などに接触して、急激に冷却されたときにできる周縁部分のこと。組織は、ガラス質や隠微晶質の細粒で緻密なものとなる。枕状溶岩の周縁部、溶岩の表面 部分、貫入岩の周辺部などでみられる。
共融(きょうゆう)(Eutectic)
 数種の固溶体のない鉱物と液相が共存する状態のこと。その時の最低温度を共融温度といい、岩石が最初に溶ける温度となる。岩石が溶けるときには、最初に形成されるマグマ組成はどれかの鉱物がなくなるまで一定になる。
苦鉄質(くてつしつ)(Mafic)
 火成岩の苦鉄質鉱物の量比による分類に用いる。苦鉄質鉱物のモード量(色指数)が40〜70%の範囲の岩石をいう。苦鉄質鉱物とはマグネシウム(苦土、Mg)と鉄(Fe)の成分に富む鉱物である。一般 には有色鉱物である。玄武岩や斑れい岩が苦鉄質の岩石に相当する。塩基性と似た用語であるが、塩基性が化学組成を基にしているのに対し、苦鉄質は苦鉄質鉱物の量 を基にしている。
珪酸塩鉱物(けいさんえんこうぶつ)(Silicate Mineral)
 珪酸(SiO2)の化合物からなる鉱物のこと。珪酸塩鉱物は珪素を中心にし、酸素が4つ、四面 体の位置に結合した珪素酸素四面体([SiO4]4-)を基本としている。造岩鉱物の多くは珪酸塩鉱物である。珪酸塩のつながりかたによって、単独(ネソ珪酸塩)、2個(ソロ珪酸塩)、3、4、6個の環状(サイクロ珪酸塩)、鎖状(イノ珪酸塩)、面 状(フィロ珪酸塩)、フレームワーク状(テクト珪酸塩)に区分される。
珪長質(けいちょうしつ)(Felsic)
 火成岩の珪長質鉱物の量比による分類に用いる。珪長質鉱物に富む岩石をいう。珪長質鉱物とは珪酸と長石の成分に富む鉱物で、石英やアルカリ長石、斜長石など。一般 には無色鉱物である。デイサイトや流紋岩、花こう岩が珪長質の岩石に相当する。酸性と似た用語であるが、酸性が化学組成を基にしているのに対し、珪長質は珪長質鉱物の量 を基にしている。
結晶(けっしょう)(Crystal)
 原子が規則正しく、周期的に並んでいるものをいう。その結果、規則正しい平面 で囲まれたものとなる。結晶には対称性があり、結晶の形態では32の晶族、結晶の構造では230の空間群、結晶の座標軸のとりかたで7つの結晶系に分類される。結晶でないものは、ガラスや混合物、非晶質(アモルファス)と呼ばれる。
硬度(こうど)(Hardness)
 物質の硬さを表わす。硬さは、原子の配列と結合の強さによって決まる。鉱物の硬度は、硬さの標準となる鉱物と、目的の鉱物をこすりあわせて、傷がどちらにつくかによって決定するモース硬度がよく用いられる。硬度1・滑石、2・石膏、3・方解石、4・蛍石、5・りん灰石、6・正長石、7・石英、8・黄玉 (トパーズ)、9・鋼玉(コランダム)、10・ダイヤモンドを標準としている。
鉱物(こうぶつ)(Mineral)
 天然の物質で、物理的に均質で一定の化学組成を持つもので、結晶となっているものをいう。非晶質であったり、生物内や化石化しているもの、地表の条件で不安定なものなど、紛らわしいものもある。
固溶体(こようたい)(Solid Solution)
 複数の物質が均質に混じりあっているもののこと。合金や鉱物でよくみられる。一方の成分が置換(ちかん)して、連続的に別 の成分に変化していく。組成の範囲は全部であったり一部であったりする。固溶体は、温度や圧力、マグマの組成などの変化によって形成される。
砕屑物(さいせつぶつ)(Clastics)
 すでに存在している岩石や鉱物が、水や風などによって砕かれたもの。砕屑性の堆積物が固まったものを砕屑性堆積岩という。もとの岩石の起源によって、火山活動によってできた火山砕屑岩、生物の遺体の破片からできた生物砕屑岩などに区分される。
細粒(さいりゅう)(Fine-grained)
 岩石の構成粒子の大きさを表わす。火成岩と変成岩では鉱物の粒度を意味し、堆積岩では岩石片や鉱物片の粒度を意味する。火成岩と変成岩では、厳密な定義はないが、一般 に直径1mm以下の粒度をいう。堆積岩では1/4mm以下の粒度に定義される。
酸性(さんせい)(Acidic)
 火成岩の全岩化学組成による分類に用いる。SiO2の含有量が66重量%以上の岩石をいう。デイサイトや流紋岩、花こう岩が酸性の岩石に相当する。珪長質と似た用語であるが、珪長質が鉱物のモード組成を基にしているのに対し、酸性は岩石の化学組成を基にしている。
自形(じけい)(Idomorphic, Euhedral, Automorphic)
 鉱物の結晶形での発達の程度を示す。鉱物の固有の形態を示すものを自形という。火山岩の斑晶は自形の結晶となりやすい。
示準化石(しじゅんかせき)(Index Fossil)
 化石のうち、生物種で生存期間が短く、生存域が広く、ある特定の地質年代を示すものを示準化石という。三葉虫やアンモナイト、哺乳類の化石などや、有孔虫、ナノプランクトン、放散虫、珪藻などの微化石が有効な示準化石となる。堆積環境を反映する化石を示相(しそう)化石(facies fossil)という。示相化石は、適応範囲の狭い生物で、生活していた場で堆積し化石になったものが有効となる。
沈み込み帯(しずみこみたい)(Subduction Zone)
 2つのプレート境界のうち、一方のプレートが他方のプレートに沈み込んでいる場所を沈み込み帯という。大陸プレートと海洋プレートの境界、海洋プレート同士の境界に見られる。沈み込み帯は、弧 状の形になる。沈み込み帯は火成作用、高圧の変成作用、堆積作用がおこる地域である。
衝突帯(しょうとつたい)(Collision Zone)
 大陸プレート同士が衝突するところ。両大陸プレートの間にあった沈み込み帯がなくなり、衝突帯へと変化する。衝突帯では、沈み込み帯で形成された地質の上に、衝突帯での作用が重なっておこる。衝突帯では、山脈が形成され、深部でのマグマの活動と高温の変成作用がおこる。
スカルン(Skarn)
 マグマの活動にともなう熱水が、周りの炭酸塩分の多い岩石と交代作用をおこなって形成されたものである。スカルンでは成分が激しく移動をするため、有用な元素を多く含む鉱物が形成され、鉱床を形成することもある。
成層火山(せいそうかざん) (Stratovolcano)
 溶岩や火山砕屑物が重なって層をなす火山のこと。成層火山は、溶岩の流出と火山砕屑物の放出が交互におこなわれた複式火山である。円錐(えんすい)形をしており、頂上に近づくほど傾斜が大きくなる。富士山は成層火山である。
石基(せっき)(Groundmass)
 岩石の組織の名称である。岩石中で大きい粒子を取り囲む細粒の粒子、またはガラスからできている部分のこと。火成岩で使われる用語で、堆積岩では基質という。
千枚岩(せんまいがん)(Phyllite)
 細粒の堆積岩が、圧力によって押しつぶされてできたもの。変成岩に分類される。粘板岩(ねんばんがん)(slate)と泥質結晶片岩の中間の岩石である。片理が発達しており、薄い板状にはがれやすい。緑泥石や白雲母の結晶が並んでいる。
組織(そしき)(Texture)
 地学でいう組織とは、岩石中での鉱物の形や鉱物同士の接触関係などを表わす。肉眼で見えるような大きなスケールの場合は構造(structure)といい、顕微鏡で見えるようなサイズのものを組織という。岩石の組織からは、マグマの特徴や、鉱物がどのような順番で形成されたか、岩石の冷却の様子などを読み取ることができる。
粗粒(そりゅう)(Coarse-grained)
 岩石の構成粒子の大きさを表わす。火成岩と変成岩では鉱物の粒度を意味し、堆積岩では岩石片や鉱物片の粒度を意味する。火成岩と変成岩では、厳密な定義はないが、一般 に直径10mm以上の粒度のもの。堆積岩では1/2mm以上の粒度に定義される。
大陸(たいりく)(Continent)
 地球の表層で海水におおわれていない標高の高い領域のこと。地球の総面積の約30%を占める。平均標高は840mである。大陸は主として花こう岩や古い時代の花こう岩質の片麻岩からできている。大陸では、多様な環境ができ、生命の多様化をもたらした。
他形(たけい)(Xenomorph, Allotriomorphic, Anhedral)
 鉱物の結晶形における発達の程度を示す。鉱物の固有の形態を示さないものを他形という。深成岩は他形の結晶からなることが多い。
多孔質(たこうしつ)(Vesicular)
 火山岩で空泡が多数あるものをいう。空泡はマグマが固まるときに岩石に入らずに、ガスとして気体になった(発泡(はっぽう))ものでで、現在ではすでに空泡中のガスはぬ けてしまっている。スコリアや軽石は多孔質な岩石である。発泡が激しいと繊維状のガラスになってスポンジ状の岩石となることもある。
タービダイト (Turbidite)
 海底にたまった堆積物が、重力的に不安定になり、なにかのきっかけで海底地すべりをおこす。このような海底地すべりを乱泥流(らんでいりゅう)や混濁流(こんだくりゅう)とよぶ。乱泥流によって運搬され、堆積したものをタービダイトという。大陸斜面 から海溝にたまる堆積物には、タービダイトがたくさん含まれる。三浦半島南部の三崎層はタービダイトでできた地層である。
チャート (Chert)
 かたく緻密(ちみつ)な珪質の堆積岩。産状により、団塊状・塊状・層状チャートに区分される。層状チャートは珪質の微化石が堆積・固結したものである。その他に、珪酸による交代作用によるもの、無機的沈殿によるものなどが知られている。小仏層群の小伏層にみられる。
中央火口丘(ちゅうおうかこうきゅう) (Central Cone)  火山の中央火口やカルデラの中にある円錐形をした小型の火山のこと。溶岩によって盛り上がった山(溶岩円頂丘(ようがんえんちょうきゅう))や火山噴出物が積み重なったスコリア丘などがある。比較的規模が小さく、火山活動の末期に形成される。箱根火山には、神山(かみやま)や駒ヶ岳(こまがたけ)など8個の中央火口丘がある。
中色質(ちゅうしょくしつ)(Mesocratic)
 火成岩の有色鉱物の量比による分類に用いる。有色鉱物のモード量(色指数)が30-60%の範囲の岩石をいう。閃緑岩が中色質の岩石に相当する。中性と似た用語であるが、中性が化学組成を基にしているのに対し、中色質は有色鉱物の量 を基にしている。
中性(ちゅうせい)(Intermediate)
 火成岩の全岩化学組成による分類に用いる。SiO2の含有量が52〜66重量%の範囲の岩石をいう。安山岩や閃緑岩が中性の岩石に相当する。
中粒(ちゅうりゅう)(Medium-grained)
 岩石の構成粒子の大きさを表わす。火成岩と変成岩では鉱物の粒度を意味し、堆積岩では岩石片や鉱物片の粒度を意味する。火成岩と変成岩では厳密な定義はないが、一般 に直径10〜1mmの範囲の粒度のものをさす。堆積岩では1/2〜1/4mmの範囲の粒度に定義される。
超塩基性(ちょうえんきせい)(Ultrabasic)
 火成岩の全岩化学組成による分類に用いる。SiO2の含有量が45重量%以下の岩石をいう。かんらん岩や斜長岩が超塩基性の岩石に相当する。超苦鉄質と似た用語であるが、超苦鉄質が鉱物のモード組成を基にしているのに対し、超塩基性は岩石の化学組成を基にしている。
超苦鉄質(ちょうくてつしつ)(Ultramafic)
 火成岩の苦鉄質鉱物の量比による分類に用いる。苦鉄質鉱物のモード量(色指数)が70%以上の岩石をいう。かんらん岩が超苦鉄質の岩石に相当する。超塩基性と似た用語であるが、超塩基性が化学組成を基にしているのに対し、超苦鉄質は苦鉄質鉱物の量 を基にしている。
テフラ(Tephra)
 火山の爆発的噴火によって放出され、地表に堆積した火山砕屑物のこと。火山をつくっていた岩石やマグマが固まって砕けたものなどからなり、さまざまなサイズの物質からできている。
島弧(とうこ)(Island Arc)
 海溝の陸側にある列島のこと。一般に弧状に島が並ぶために島弧とよばれる。島弧 は火山活動や地震活動が活発である。その発生メカニズムはプレート・テクトニクスによって説明されている。海洋プレートが大陸側のプレートに沈み込むところにあたる。島弧 は、比較的新しい時代に形成された花こう岩、安山岩やデイサイト、堆積岩などの多様な岩石からできている。
同時異相(どうじいそう)(Contemporaneous Heterotopic Facies)
 近い場所で同じ時期にたまった地層でありながら、岩石種や岩石組み合わせ、堆積様式(岩相)などが違っているものをいう。堆積する場所の環境が多様であったことを示す。河川流域や湾岸・沿岸地域などで形成されることが多い。
トラフ (Trough)
 海溝のうち、堆積物によって両端がうめられて緩やかな斜面になったもの。その形が、長く幅の広い舟底状になることが多いことから、舟状海盆とよばれる。
ニコル(Nicol, Nicol's Prism)
 偏光プリズムとよばれる一方向だけに振動する光だけを通すものをいう。偏光プリズムを2枚直角に置くと、自然光は通 過しなくなる。間に鉱物を置くと、偏光が曲げられる性質を示すことがある。このような性質を利用して鉱物を見分けることができる。偏光プリズムは、かつては方解石を使っていたが、現在では高分子偏光板が用いられている。
粘性(ねんせい)(Viscosity)
 物理的には厳密に定義されているが、液体や気体だけでなく、マグマやマントル物質などのように流れる性質を持つものにも用いられる。粘性が小さいと流れやすくなり、大きいと流れにくくなる。マグマでは、一般 に温度が高いほど、塩基性の岩石ほど、あるいは揮発成分が多いほど、粘性は小さくなる。
年代(ねんだい)(Age)
 岩石や地層が今から何年前にできたかを示したもの。化石による相対年代と、放射性元素による絶対年代がある。化石による年代は、生存期間が限定でき、広い分布をもつものが示準化石として用いられる。化石による年代は絶対年代との対比がなされ、かなり細かく決定されている。化石年代は堆積岩にしか利用できないが、絶対年代はいくつかの条件を満たしさえすれば、すべての岩石や鉱物に対して適用可能である。
半自形(はんじけい)(Hypautomorphic, Hypidiomorphic, Subhedral)
 鉱物の結晶形の発達の程度を示す。鉱物の固有の形態を一部しか示さないものを半自形という。深成岩では半自形の結晶がよく見られる。
斑晶(はんしょう)(Phenocryst)
 火山岩の組織で、細粒の石基中にある大きな結晶のこと。多くの火山岩では斑晶をもっている。斑晶はマグマ中で結晶が成長するため自形になる。肉眼で見えるほどのサイズのものを巨斑晶(きょはんしょう)(megaphenocryst)といい、顕微鏡でないと見えないものを微斑晶(びはんしょう)(microphenocryst)とよぶことがある。
氷期(ひょうき) (Glacial Age)
 地球が寒冷化し、大規模な氷床があった時代のこと。氷河による堆積物や地形などによって過去の氷期を知ることができる。第四紀の氷期は詳しく調べられている。石炭紀〜二畳紀、原生代にも氷期があったことがわかっている。氷期は1万〜10万年の間つづき、海水面 が下がり(海退)、温度が年平均5〜10℃下がったと考えられている。更新世の1万〜7万年前にあった最近の氷期はビィルム氷期で、最終氷期とよばれている。
プレート・テクトニクス(Plate Tectonics)
 プレートとは、地球表層で硬い板として運動するものをいう。地表は10数枚のプレートに区分され、それぞれが固有の運動をおこなう。このようなプレートの運動によって地質現象を説明する考えをプレート・テクトニクスとよぶ。プレートの境界部は、発散(はっさん)(中央海嶺(ちゅうおうかいれい))、すれ違い(トランスフォーム断層)、収斂 (しゅうれん)(沈み込み帯)の3種に分類される。各境界は活動的で、多くの地質現象は、プレート境界でおこることが多い。
平衡(へいこう)(Equilibration)
 エネルギーが一番小さい状態のこと。岩石では、鉱物同士や鉱物とマグマとが化学的に平衡かどうかが重要である。平衡であればマグマや結晶の形成条件が計算できる。平衡を満たさない場合も多いが、平衡に達したと仮定して、火成岩や変成岩の形成条件が推定されている。
劈開(へきかい)(Cleavage)
 鉱物では、結晶構造にしたがって割れる性質を劈開という。割れた面を劈開面 という。劈開の現われ方の程度によって、完全、良好、明瞭、不明瞭などと区別 される。変成作用によってできる割れやすい性質も劈開とよばれる。劈開は変成作用の圧力のかかった方向に垂直にできる。変成鉱物が面 状に並ぶことによって形成される。
ペグマタイト(Pegmatite)
 花こう岩質マグマの最終的に残った液(最終残液)が固まったもの。数m〜数10mの規模の貫入岩や塊状の岩体として産出する。珪長質で粗粒の花こう岩では、有用元素に富む鉱物が含まれ、鉱床を形成することもある。
変成帯(へんせいたい)(Metamorphic Belt)
 変成岩が広く分布する地域のこと。大規模なものは、山脈の中心部(造山帯中軸部)に長く伸びており、数10kmから数100kmにわたって連なる。大規模な変成帯は、プレートの沈み込み帯や衝突帯で形成される。小規模な変成帯は深成岩体の周りに形成される。丹沢山地南部の結晶片岩の分布域は小さな変成帯である。
変成度(へんせいど)(Metamorphic Grade)
 変成作用で、物理・化学的条件(温度、圧力など)が達した程度を示す。低変成度(ふっ石相〜緑色片岩相)、中変成度(角閃岩相)、高変成度(エクロジャイト相、グラニュライト相)に区分される。変成作用の程度は、できた鉱物(変成鉱物)によって区別 することができる。丹沢山地南部の変成帯は低変成度から中変成度まである。
ホット・スポット(Hot Spot)
 マントル深部から上昇してきたマグマによる火山活動がある場所。ホット・スポットまでの上昇流をプルーム(plume)と呼ぶ。プルームはプレートより深部からきているため、プレートの動きと連動していない。マントルと核(コア)の境界から上昇する巨大なものをスーパー・プルームと呼び、その運動によって全地球のテクトニクスを説明する考えをプルーム・テクトニクス(plume tectonics)と呼ぶ。ホット・スポットの代表的な例は、ハワイ諸島やアイスランドである。
マグマ(Magma)
 岩石が地下深部で溶けたもの。マグマは珪酸塩を主成分としている。まれに炭酸塩を主成分とするものもある。マグマには、量 は少ないがガスの成分(揮発(きはつ)性成分)も溶け込んでいる。マグマは650〜1300℃程度の温度で存在する。そのため、地表や地表付近では固体として火山岩や深成岩へと変化する。
無色鉱物(むしょくこうぶつ)(Colorless Mineral)
 透明か白、あるいは白に近い色の鉱物のことで、有色鉱物に対応するもの。珪長質と似た用語であるが、珪長質が鉱物の化学組成を基にしているのに対し、無色鉱物は色の有無を基にしている。
モード組成(そせい)(Mode Composition)
 岩石を構成する鉱物の量比を示す。比率は体積%や重量%で示されるが、実測としては顕微鏡下での面 積比の測定を体積比とみなすことが多い。化学組成から計算によって求める理想的な鉱物組成(ノルム組成)に対応する用語。火成岩や堆積岩の分類には重要な情報となる。
優黒質(ゆうこくしつ)(Meranocratic)
 火成岩の有色鉱物の量比による分類に用いる。有色鉱物のモード量(色指数)が60%以上の黒っぽい岩石をいう。斑れい岩が優黒質の岩石に相当する。苦鉄質と似た用語であるが、苦鉄質が苦鉄質鉱物を基にしているのに対し、優黒質は有色鉱物を基にしている。
有色鉱物(ゆうしょくこうぶつ)(colored mineral)
 白以外の色のついた鉱物のことで、無色鉱物に対応するもの。苦鉄質と似た用語であるが、苦鉄質が鉱物の化学組成を基にしているのに対し、有色鉱物は色の有無を基にしている。
優白質(ゆうはくしつ)(Leucocratic)
 火成岩の有色鉱物の量比による分類に用いる。有色鉱物のモード量(色指数)が30%以下の白っぽい岩石をいう。花こう岩や斜長岩が優白質の岩石に相当する。珪長質と似た用語であるが、珪長質が珪長質鉱物の量 を基にしているのに対し、優白質は有色鉱物の量を基にしている。
累帯構造(るいたいこうぞう)(Zoning、Zoned Structure)
 結晶の中心部から周縁部に向かって不連続に変化することをいう。化学組成や色、不純物の含有量 、透明度による変化が累帯構造の原因となる。結晶成長中に、マグマの組成が変化したことを示している。

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